シミュレーション技術で
設計・製造の改善に貢献したい


解析 A.I.
2017年新卒入社 SB事業部
基礎理工学専攻修了
Career Step
- 2017年~
- 製造工程のシミュレーションを担当。
Q1 入社動機は?
原理原則にこだわる性格があり、就職でもそんな原理原則に関わる仕事を選びたいと考えていました。携帯電話からスマートフォンのような大きな変遷があっても、なかに入っている電子部品に求められる役割そのものは変化がないと思い、いわば電子部品は原理原則のようなものだなと考えました。電子部品業界で働けば、長期的に自分のスキルや知見を伸ばしていけるとも思い、電子部品メーカーを志望しました。ヒロセ電機を選んだのは、何かやるなら他人と少し違うことをやりたいという思いがあり、ヒロセ電機では社是として差別化を全面に押し出していたため、大きな魅力を感じ入社を決めました。


Q2 現在の仕事は?
製造工程のシミュレーションを行っています。射出成形というプラスチック部品を作る工程です。射出成形とはプラスチックを高温で溶かし、それを金型のなかに射出することで、金型と同じ形状を作り出す製造技術です。その際のプラスチックの流れ方や温度分布をシミュレーションし、より良い部品を作るために役立てています。コネクタのプラスチックは強度が必要なため、ガラスなどの混ぜ物が入っているので、純粋なプラスチックとは異なり、金型の通りに形が決まってくれない厄介な性質を持っています。そのためにシミュレーションが有効な場面があります。
Q3 最も印象的な仕事は?
プラスチック部品の不具合に関わる仕事です。その不具合は射出成形のなかでは比較的メジャーな不具合だと思われていたのですが、自分で実物を切断したりSEMを撮ってみたり、いろいろと実験してみると原因が違うような感触がありました。その上でシミュレーションに並行して取り組んでみたところ、その不具合に対して従来とは異なる解釈が成り立つことが分かり、現場で現実的な対策を講じ、不具合を止めることができました。シミュレーションによる予測と、現場の力が上手くかみ合ったと瞬間でした。不具合自体は忌避すべき事態ですが、シミュレーションと現場の経験やセンスがお互いに補い合い、製造技術を前進させたという点でとても印象に残っています。
Q4 今後、目指すキャリアは?
シミュレーションができるというだけでは付加価値は生まれず、むしろコストになると考えています。シミュレーションの強みは、実物では測れない物理量(応力分布、温度分布, etc.)を可視化し、試行錯誤を繰り返せる点です。その結果を解釈して、どう設計や製造に生かすことができるか?そこが今後のシミュレーション専任者として必要とされるスキルになると思います。シミュレーションの精度を高めることも必要ですが、それを使っての問題提起、あるいは解決する力を強化したいと思っています。シミュレーションは問題解決の1つの手段でしかないので、あまり拘泥せず、1つの強みとして使いつつ、多方面から問題に当たれるようになりたいです。

